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Prezi効果を引き出すためのプレゼンスタイル!

2015年9月16日 - Presentation
Prezi効果を引き出すためのプレゼンスタイル!

みなさんこんにちは。プレゼンテーションデザイナーの吉藤です。

最近いただいたご相談で、がんばって自分でPreziを作ってプレゼンしてみたんだけど、聞いてた人から
 「動きは面白いけど…」
 「次のスライドに行くのに時間がかかってなんか間延びしてる」
と言われてしまって、、というのがありました。

あぁそうそう、と思っていただいた方、けっこうPrezi使っておられますね。
ということで今日はこのモヤモヤにお答えしようと思います。

 

■一面化しているプレゼン手法

まずはちょっと現状分析から始めましょう。「プレゼン」というとオーソドックスな流れはこんな感じでしょうか。04

  1. ○○株式会社の□□と申します、それでは始めさせていただきます。
  2. まず一枚目のスライドはですね、×××が☆☆☆になっていまして、そして△△△については◇◇◇のようになっています。
  3. では次のスライドをお願いします。ここでは~についてお話します。まずは…

 

 

こんな感じですね。PowerPointで普通に作るとこういう流れになります。(これが悪いとかそういう話じゃないですよ)

で、ここでPreziを使ったらどうなるかというと、

  1. 05○○株式会社の□□と申します、それでは始めさせていただきます。
    (画面ぐいーん…ピタッ。)
  2. まず一枚目のスライドはですね、×××が☆☆☆になっていまして、そして△△△については◇◇◇のようになっています。では次のスライドをお願いします。
    (画面ぐいーん…ピタッ。)
  3. ここでは~についてお話します。まずは…

 

と、こういう感じになりがちです。

 

“画面ぐいーん” の時間が待ち時間になってしまってなにやらテンポが悪く、これではむしろPowerPointの方がパッと動いてスマート、、という印象になってしまいます。
だからこれを見た人は、

「動きだけ…」
「目が回る…」
「結局ビジネスには向かないな…」

的な感想になってしまうんです。ごもっともです。
でもこれってPreziがよくないんじゃなくて、プレゼンのやり方そのものが固定化してしまっていて、これ以外のプレゼンのやり方があるのに気がつけていないところに問題があるんじゃないかと。

 

■プレゼンの固定観念をちょっとほどいてみる

先ほどお話したのはオーソドックスなプレゼンスタイルですが、これっていわゆる先生と生徒型というか、ニュースキャスター型ですね。
みんなに黒板とかフリップを見てもらって、そこに書いてあることを説明していく、という。どんな場面でも使えるので、万能型の手法ではあります。

ただ、さっきの例でお分かりいただけるように、Preziというツールはこのスタイルとの相性があんまりよくありません。
だから、ちょっとプレゼンのやり方と意識のほうを変えてみましょう。そうすると、ぐぐっとPreziの特徴が活きてきます。

一例としてはこんな感じです。

06

  1. みなさんお忙しい中お集まりいただきありがとうございます。○○株式会社の□□と申します。(と、言っている間に画面が1~2回動く)
  2. まずお話したいのは、×××が☆☆☆になっている点についてですね(と、言いながら画面が1~3回動く)。この点は、(と、続けて画面が1~3回動く)、
  3. そして次の△△△の◇◇◇については(と、言いながら画面が1~3回動く)、ということで、(と、続けて画面が1~3回動く)

なんとなくイメージが伝わったでしょうか。

“しゃべっている背景で画面が動いている” プレゼンです。
画面がピタッと止まるのを待ってから、そこに書いてあることの説明を始めるのではなくて、話している途中に画面を動かしましょう。あまり難しく考えずに、「で、ここから発展して~」とか、「これを踏まえての話になるんですが~」といったつなぎの言葉を話すだけでもOKです。リモコンを自分で持ってスピードをコントロールしながらだとやりやすいですよ。

こんなふうに、あなたが話している背景で話しの内容にあわせてスクリーンがどんどん動いていく、というパフォーマンスができるとオーディエンスにとても強い印象を残すことができます。感覚としては、CMとか、テレビ番組のナレーションを思い浮かべてください。あれって背景の動画はずっと動いてますよね。でも動画とナレーションは同時に頭に入ってくる。あのイメージです。

Preziは、完全な動画ほどスピードは速くなく、自分で動くポイントをコントロールできる背景をつくるアプリだと思ってください。
このやり方でプレゼンをすると、物語が続くように途切れることなく画面が続いていきます。

 

…あ、なんとも目まぐるしいですか?

そう、Preziでのプレゼンは、ライブのスピード感と似ています。
だからどんなプレゼンにも適用できるわけではなくて、内容とオーディエンスにあわせて使い分けが必要です。

たとえば新サービス・新製品のピッチ、イベントのイントロトーク、採用イベントでの自社紹介など、アツくビジョンを表現するような場に向いていますね。

 

ところで、誤解のないようにお伝えしておくとPowerPointでもこういうプレゼンってできるんですよ。
今までだってできたのに、ほとんどの人がやらなかっただけです。データの作り方にコツがあって、決してPowerPointが古いっていうわけじゃありません。

あと注意点なんですが、ライブっていっても別にみんながDJみたいにノリノリでプレゼンしないといけないわけじゃありません。慣れないのにそんなことやるとみんな引きますし。笑
自分の言葉で自然にしゃべって、プレゼンターとスクリーンが一体となることを意識していただくのが、うまくやるコツかなと思います。

じつはデザインだけではなくて、こういうプレゼンテーションのトレーニングも僕の大事なお仕事のひとつです。

 

■プレゼンテーションと配布資料

さて、プレゼンの固定観念から抜け出す、、という観点から最後にもうひとつ。

「Preziには配布資料がないからなぁ。」

というのはものすごくよく聞かれる声です。これについても書いておきましょう。

最初に書いたようなニュースキャスター型のプレゼンが日本でオーソドックスなのは、”手元の資料との読み合せ”、という日本の商習慣上非常に重要なプロセスを行うのに向いているからです。この場合は、画面と手元の配布資料が “同じ” であることが何よりも大切です。というか、違っていたら苦情が出ますね。このニーズがあるときはこのプレゼン方法を選ぶ必要があるでしょう。

一方で、ライブの最中に手元の紙を見てる人がいないように、ライブ型のプレゼンでは、”画面と同じ配布資料” という概念自体がありません。
プレゼンターとスクリーンの組み合わせでプレゼンとして成り立つようにしているので、Preziの画面だけ無理やり抜き取っても意味のわからないものになってしまうんですよ。

じゃどうするかというと、”パンフレット” をつくります。本番前にワクワクしながら読んだり、帰ってからウフフと思って見返すあれですね。
僕のお仕事では、スクリーンとテイストをあわせて、読み物としてのアプローチからまとめたものを別途作成して配布資料とします。

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え、手間とお金…そうです、かかりますね。

日本のビジネスではプレゼンにお金や手間をかけるのは無用のこと、という感覚が昔はあったんですが、最近ではプレゼンテーションもCMのようなひとつのPR戦略として正当なコストをかけるもの、という認識に変わりつつあります。

もちろんいろんな状況や制約があると思いますので、お金はともかく。練習の手間をきちんとかけていただくとプレゼンテーションの完成度が格段に変わるので、ぜひ。

(こんな記事も書いてます。→「プレゼンテーションのリハーサル、する?」)

 

■さいごに

ということで、Preziの使い方という視点から、プレゼン手法の固定観念をちょっと見直してみました。
最後にデザイナーとして強調したいことは、悪いのは固定化してしまったプレゼン手法のほうで、ツールは別に悪くないってことです。

PowerPointでもKeynoteでもPreziでもSwayでも、自由な発想をしていただければ、きっと素敵なプレゼンができると思います。今日ここに書いたのはあくまで一例なので、ぜひいろんなプレゼンのやり方を工夫してみてください!

もし難しいなと思ったら、お気軽にご相談を。それではまた。

 

 

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