みなさんこんにちは。プレゼンテーションデザイナーの吉藤です。
今日はちょっとガジェットのご紹介を。Logicool MX Vertical というこのかなり奇抜な形をしたマウス、今月9/20に発売予定なので先行使用レビューです。先日の SPOTLIGHT NITEでプレゼンをさせていただいたときのつながりでLogicool Japanさまから試用版を使わせていただく機会をいただきました。先月末に発表されたニュース記事を見ていて、おぉ何だこの形…と思っていたところなので、このセンセーショナルな形のマウスについて、デザイナー視点から使ってみた感想を書いてみようと思います。
■ 気になるこの形の使い心地
まず発表時から相当に強烈な印象だったこの形状。”握手位置” と表現されていますが腕をひねらない自然な位置でマウスを保持できるとのこと。僕はもともとマウスは Logicool MX Anyware 2S を使っているのですが(こっちはちゃんと自分のです。笑)、並べるとこのように。右が新しい Vertical です。上から見るとそんなに変わらないですが、実物は高さがだいぶ違うのでけっこう大きく感じます。ただ大きさの割にかなり軽い。
Vertical のほうを実際持ってみるとこんな感じです。この写真では左手でカメラを構えてちょっと無理な姿勢をしたので腕が浮いちゃっていますが、実際は手の付け根部分を机に接地させて使います。
使った印象としては、最初は想像通り “慣れない…” でした。やはりしばらくは違和感があります。というか、ボックスにも、「MX Verticalはユニークなユーザー体験です ー 形状に慣れるのに多少の期間を考慮してください」と書かれています。
ただ思ったよりも慣れるのが早くて、半日くらい使っていれば慣れていつもの Illustrator や Prezi のオペレーションも同じようにできるようになりました。ここ数日ずっと使っていますが、確かに腕は楽。ボタン切り替えで2種類のカーソルスピードを切り替えられるので、大きな作業と細かい作業の切り分けもしやすいです。ちょっとしか手を動かさなくてもだいたいのオペレーションが終わる、という印象。しばらく Vertical を使ったあとで通常の Anyware 2S に戻すとすごい違和感を感じるので、やはり腕や手にかかる負担は少ないのは実感としてあります。まとめるとこんな感じです。
楽になった作業
– 通常のマシンオペレーション全般(WebブラウザやExcelなど、マウスを使ってやるものはおおむね負担軽減)
– IllustratorやPhotoshopなどでブラシツールで絵を描くとき(鉛筆を持つのと同じ手の確度なので、マウスよりもペンタブに近い使い心地で描ける)
楽にならなかった作業
– Illustraotorの複雑なパス調整、パスうち(ミリ単位で微調整したりすることが多いのですが、ここは従来のマウスのほうがやりやすかったです)
– Illustrator上のオブジェクトの細かなサイズ調整。特に複雑なグラフィックで調整動作のあとに表示までに遅延が発生するものを数ステップ感で調整したいとき
楽にならなかった作業についても、細かい作業ができない仕様なわけではなくて単純に慣れのレベルの問題でなので、もし最初から Vertical を使うほうで作業を覚えていたらきっとこちらの方が楽なのではないかな、と思います。
と、けっこう好印象な Vertical 。ただ物理的な弱点をふたつ。ひとつは高さが高いこと。通常のマウスの倍くらいの高さがあるので、マウスから手を放してキーボードに手をやろうとしたときに、Vertical の上の方に手が引っかかってガタッ、みたいなことが何度かありました。個人的には小ぶりなマウスを使うのが好みなので、もうふたまわりくらい小さい Vertical が出るといいなぁと。これだけ大きいと出張にもっていきにくいので。
あともうひとつは、手首の下側を机に設置して使うので、マウスのすべりがよくても自分の皮膚と机の摩擦のほうが大きくてスムーズに動かないときがあることです。ただこれは普通の画面サイズなら手首そのものを動かさなくても画面の移動はできるくらいなので、僕の環境が縦置きディスプレイのデュアルという特殊な環境のせいもあります。ちなみにこれはバンダナを手首の下に置くというお手軽な手法で解消しました。
■ Logicool FLOW で、2台のPCで1台のマウスを共有
あと、マウス本体とはちょっと話がずれますがこのマウスで使える Logicool FLOW というアプリがめちゃくちゃ便利なので紹介(Vertical だけではなくて Anywhere 2S も対応しているのでもともと使っていました)。これは2台のPCを同時に使っている人にはとてもいいアプリです。僕の作業スペースは Windows のデスクトップと Macbook なのですが、このアプリを使うとひとつのマウスで画面上をスーーっと移動してそのまま Windows の画面から Macbook の画面にマウスをもっていくことができます。
条件は2台のPCが同じネットワークにつながっていること。バーチャルにデュアルディスプレイ化されてる、という感じですね。
そして Windows で Ctrl+C でファイルをコピーしておいて、そのままカーソルを Macbook にもっていって command+V を押すと、Win 側のファイルを Mac に張り付けられるという(もちろん逆も)。この機能、意味が分からないくらい便利です。もちろん Winsdows 同士でも Mac 同士でも。
通常、作業用ファイルはクラウドで共有もしているので別にそちらでできるといえばそうなのですが、マウス操作であっさりコピペできるというのは実務上、問答無用に便利です。
■ 実際の運用
Vertical、なかなか使い心地気に入ったのですが、作業によってはもともとのマウスも使いたい僕はどうしているかというと、メインを Vertical にして、もともとの Anywhere 2S も机の上に置いて両方使い分けています。切り替えのような操作などはなしで両方常時つながっているので、Illustrator の細かい作業の時だけ Anywhere 2S に持ち替えるだけで使えます。こんなふうにつながっているマウスがアプリ上に出てくるので個々に細かく設定も変えて使っています。
あと Anywhare 2S の USB レシーバをひとつポートに挿しておけばそれで Vertical もつながったり、そういう接続まわりもスムーズだったのは地味に使いよいポイントです。Bluetoothの検知や接続も速いくてストレスなくつながりました。こういうの大事。
以上、はなはだ主観的ではありますが Logicool の新型マウス、MX Vertical の発売前レビューでした。
ハードワークで腕が疲れる方や新しいマウスを考えている方、特に大きめのマウスで安定感のある操作がしたい方にはおすすめです。あとFLOW アプリは本気で使えるので、このアプリが使える Anywhare 2S と MX Master 2S (実はこっちも買って持っています。僕には大きいのですが、大きめマウス好きな方はいいかも)も検討する価値ありですよ。