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大学でPrezi Café。麗澤大学特別講座

2019年1月1日 - Book, Other, Presentation
大学でPrezi Café。麗澤大学特別講座

今日は麗澤大学でのPrezi講座の実施レポートを紹介しようと思います。

実施は2017年の12月、クリスマス目前の麗澤大学のI-Loungeにて。同大学の外国語学部の杉浦先生のお手引きにより実現したのがこの講座は、通常の授業としてではなく、自由参加のカジュアルなイベントとしてやろうということで、「Prezi Café@Reitaku Univ」と題して実施させていただきました。

学生さんだけではなく、大学の先生や職員の方にも興味をもってご参加いただいていたのが非常にありがたかったです。

 

■ 大学生にとってのプレゼン

こんな感じでお話をさせていただきました。

もともとこの講座は、こんなポイントがあってお声がけをいただきました。

・海外では一般的なPreziを日本の学生にも紹介してみたが、Preziを使い続ける人とPreziを離れてPowerPointに戻る人に分かれた
・改めてPreziとは何か、どんな使い方ができるのか、ということを紹介してもらいたい

というものです。ここで改めて考えてみたのが、大学生にとってのプレゼンってどんなものだろう、と。ビジネスでのプレゼンだと過去のデータや配布の有無などいろいろな条件や制約があるものですが、学生のプレゼンはそういった縛りが少なく、ツールの選択も比較的自由なはずです。そんな学生がPreziを使ったときに、「Prezi使いやすい」という人と「Prezi使いにくい」という人に分かれたというのは、Preziの特性を考える上で非常に重要なポイントだなと感じました。

この講座を実施した時はまだPrezi Nextがリリースされて半年程度だったこともあり、Preziで何ができるのか、というのをまとめた文章などが英語であっても少なかった時期。そこで僕の方では、「Preziって何?」「Prezi Nextで何ができるか」という基本の部分を2点をご紹介することにしました。そしてその後、「Preziを使い続けた学生」と「やっぱりPowerPointを選んだ学生」の双方からお話を聞いて対談する、という構成に。

■ Prezi Nextを紹介するPrezi

このPrezi Caféにて僕がプレゼンしたデータはこちらです。Prezi Nextにて制作。この段階でPrezi Nextを網羅的に解説した動画は世界的にも珍しく、このイベントはPrezi社の公式イベント認定も受けています。

実はこのPreziのデザインにもちょっと裏話があり。Prezi Classicはベクタグラフィックスに特化していたのでイラストベースで作るときが多かったのですが、Nextはベクタデータを使うと重くなってしまうので、比較的軽くなるpngファイルをメイン要素として作っています。せっかくのpng形式なので、試験的に写真とイラストのコンビネーションを使ってかっこかわいい感じのデザインを試してみました。そして、日本語フォントがこのときはまだなかったので英語で作って日本語でプレゼンしています。

■ Preziは使いやすい?使いにくい?

ちなみに、なんですが会場にPreZenDouの望月さんに来ていただいています。もう僕の代わりにしゃべってくださいな気分でした。

Prezi Nextの紹介をしたところで、学生のお二人から「Preziが使いやすかったのでPreziを使い続けた」というお話と、「Preziを使ってみたけど使いづらく、PowerPointに戻した」というお話をしていただきました。

Preziが使いやすかった、という方の意見としては「自分が頭で思い描く構造の通りに作っていけたので作りやすかった」というもの。

一方でPreziが使いにくかった、という方は、「スライドに書き留めていけばいいPowerPointの方が作り始めやすく、シンプルで短時間で作ることができた」「スライド単位で分割できるPowerPointの方が、チームワークに向いていた」

というもの。これはきっとこれは学生に限らず、社会人であっても同じように感じ方が分かれるポイントだと思います。プレゼン屋をやっていてこういう意見を直接聞けるのはおもしろいなぁと思って聞いていました。あと、たぶん僕が「Preziの人」みたいになっていたので、パワポに戻した、という立場の方は話しづらいなか話してくれたんじゃないかと思います。緊張させてしまってもうしわけない。でもとてもいい意見でした。(僕はPowerPointとPreziの制作半々くらいなので、本当は立場としてはニュートラルなのだけど、あんまりそうは見られない。笑)

■ 大事なのは「乗り換え」ではなくて「使い分け」

実はプレゼンのデザインとシャツの柄をネイティブアメリカンな感じであわせています。望月さん撮影

そして、実はこの意見の比較で重要なのはツールの優劣の話ではありません(だってどっちもそう感じたのが正しいわけで)。注意すべきなのは、多くの方がPreziに「乗り換える」のかパワポに「戻る」のか、という考え方をしてしまっているところ。

どうしてもPreziは「新しいプレゼンアプリ」という認識があるので、パワポを「卒業」してPreziに「進む」、だったり、Preziをやってみたけど自分には「まだ早い」から、パワポに「戻る」といった発想になりがちです。ですが、PowerPointとPreziは全く別の構造で別の表現ができるアプリなので、「どっちも使えるようにしておいて、使い分ければいい」というのが現場のプレゼン屋としての意見です。

そしてその使い分けも、「派手にしたいならPrezi」じゃないんです。実際は、

CMみたいな派手めのプレゼンにしたいとき
 → 簡単にできるのはPrezi
 → 複雑だけど凝ったことができるのは実はPowerPoint

とにかくどんどん文字を書き出していって作っていきたい
 → 書き出したままプレゼンができてキャッチ―なのはPowerPoint
 → 時間はかかるけど論理構造が表現できるのはPrezi

といったように。使い分けの条件分岐がちょっと面倒ですが、実際こんな感じです。(あとはもう、適当なことを言っているようですが「自分にあってるなー」という方を使っていただくのがストレスがなくていい、と思います)

■ 講座から生まれた『Preziデザインブック』

この講座のお話をいただいた時期は、僕自身としても「Prezi Nextをどう使っていくか」という点を試行錯誤していたタイミングで、この翌年の2018年5月に発売した『Preziデザインブック』を書き始めていた時期でした。この講座で聞かせていただいた意見を踏まえて、ユーザーが疑問に思うポイント、Prezi制作に必要な情報を改めて洗い出すことができた結果、ある程度書いていたドラフトを全部白紙に戻して書き直しをしています。だから、現在の『Preziデザインブック』のコンテンツにはこの講座で得た知識がたくさん反映されています(そしてこのPreziデータのスクリーンショットも数多く使っています)。

杉浦先生をはじめご協力いただいた先生方、職員のみなさま、学生のみなさま、ありがとうございました!!